読書灯消した瞬間「コンニチハ」底無し闇に冷たい不安
暗闇に順応しちゃう私ってネガティブ思考検定二級
雨粒の妨害電波ラジオからノイズハモニカノイズピアニカ
音のない夜が欲しいと願うほど鮮明になる五月雨カノン
タトタトタルトタタンタン傘を弾いた甘い雨音
静寂を断罪すべく降る雨に救われた夜ヒカル葉桜
いま誰か飛び込んだでしょ? 異世界に繋がりそうなあの水たまり
暖かな場所からずっと抜け出せず(やがて刺繍の一部になった)
そうじゃない(喉に支えて)違うって(些細な齟齬に蝕まれてる)
繁華街カラーコピーの顔で行く(これで私も街の部品ね)
暗闇で孤独募らせ泣く指がそろりと撫でる液晶画面
スマートな通信機器が僕たちの関係をまた複雑にする
算数も割り切れないし人生も割り切れないし死ぬに死ねない
秒針がやたらと響く冷えた部屋カチコチココロカチコチコゴエ
駄目なんだ限界だって右足が奏で始めるモールス信号
海底に積もり積もった焦燥が私を喰らう鮫の正体
窓ひとつ金魚ここのつ僕ひとり閉塞的な夜の始まり
唇で渋滞してる言葉こそ言わなければと焦れて三キロ
絶望も致死量がある(ココロより順に機能をダウンさせます)
適当に埋めた心の空白がシクシク痛む(明日は雨だ)
辛いから詰め込まないで静かなる始発列車で出発します
仮初めの孤独と闇の中心でやたらと響く時計きちきち
苛立ちのジェンガを積んで壊してを繰り返してる(ひとりにしてよ)
この蓋は間違えている蓋だから色々溢れ落ちる(涙も)
単調な作業であればあるほどに救われなていくような錯覚
右耳に海を注いで聞こえない音を聴いたのコドウコドウ
雨音に隠した本音聞かないでそのまま雨に流して欲しい
雨雲のレーダー付きの側頭部ズキンズキンと響く警告
泣くための理由を今朝も探してた多分明日も探すのだろう