2018-10-06

オレンジにアスファルト染め秋なんてすぐに飽きると降る秋驟雨 #秋雨のカノン

窓から吹き込む風に金木犀の香りが混ざっていて、もう秋なんだなぁとしみじみ思う。色々とあって季節なんて感じている暇なんてなかったけれど、それでも金木犀は強い香りを放って秋を知らせてくれる。 あぁ、でも、明日の雨で落ちてしまうのだろうね。アスファルトをオレンジに染めて、秋なんてすぐに終わってしまうんだって私に見せつけてくるんだ。貴方の人生も冬に差し掛かっているのだと指摘するようにアスファルトを染め上げるんだ。

2018-10-01

落ち着かなくて

どうにも眠れないからツボ押し棒で足の裏を押す。落ち着くように落ち着くようにと押すと落ち着くツボなんだけど落ち着かない。安定剤を飲んだ。 昨日は二度寝してしまって、起きたら午後一時でびっくりした。だから眠れないはず。でもなんだか違う気がする。そわそわではなくてなんとなく落ち着かなくて眠れないんだ。 虫の音がする。だから落ち着かないのだろうか。気がつけば午前三時。眠れる気配はなくて、ただただ空っぽだ。

目を閉じてそのまま眠れたら

目を閉じてそのまま眠れたら 羊なんて用済みなのに。なんて言ったら羊は怒るだろうか。怒ってもう数えさせてはくれなくなるのだろうか。 意味のない涙を流しながら羊を数える。羊よりも涙がたくさんあるから、涙の方を数えようか。あぁ、でもそれは、健康的ではない気がする。数えるのなら羊でないといけない。涙の数なんて、それも意味のない涙なんて、数えたらきっと私、本当に泣いてしまう。

壁に向かって投げている

興奮を抑えて落ち着かせるヤツばかりじゃん。と彼女が呆れた声で言う。 眠れないんだ、神経がピリピリしちゃって、三時間くらい努力しないと眠れないんだよ。だから、興奮を抑えて落ち着かせなきゃいけないの。って、カフェインがたっぷりって感じの紅茶を飲みながらスマホをいじる。 あのさ、眠りたいんならカフェインもスマホも辞めなよ。って最もなことを言われて、あ、うん。とか素直に返事して、紅茶を流しに捨てる。そもそも一杯ぶんのティーパックで4杯目だし、薄いし冷めてるし美味しくない液体だから惜しくもない。 珈琲党なんだけど、家では紅茶。ティーパックの紅茶が楽ちん。珈琲は本物がいい。私にとっての本物はあの店の珈琲だから、他は違うんだ。って話したら彼女は興味なさげにスマホに向かって、ふーん、って言う。多分聞いてない。いいんだ。私も聞いてない。 気がつけば会話はキャッチボールじゃなくて壁にぶつかる行為に変わった。それはスマホの普及かSNSの普及か或いは両方か、とにかく、いいねと言われたいんだ。たくさんの人から。知らない人でもいいからとにかくみんなからいいねが欲しい。 いいねで満たされると思っているのだ。でも、満たされない。だって知ってるから。いいねって私、反射的に押してるからいいねって思ってないの。いや、思ってるけど、沢山ありすぎてもうなんかとりあえずいいねってなってて、だから、多分他の人もそうだって気付いてるからいいねで承認欲求は満たされなくて、枯渇したまま。 ねぇ、誰か見てよって、私を見てよって、叫びなんだけど、でもそれはそんなに重要ではないし、むしろどうでもいいと言うか面倒臭いし、邪魔臭いし、興味ないんだけど、スマホ見ちゃうしスマホ見てる彼女にスマホ見てないでちゃんと聞いてよ、とか言えなくて、興奮を抑えて落ち着かせるヤツをまとめて口に放り込んで水で流し込む。 だって、どうでもいいから。大事なのは三時間も努力しなくても眠れるようになることだから。

雨とあのこと

雨だ。雨がいけないのだ。雨が効き目を鈍らせるのだ。 アレもコレも効かないから私は眠れない。眠ろうとすればするほどにドツボにはまり神経が高ぶり、怖がった羊は睡魔を連れて全部逃げてしまった。 私にとっては大きな問題。些細な躓きの積み重ね。距離を置きたい人からの誘い。曖昧に断っても、はっきり断っても、数日開ければ振り出しに戻る。だから着信音にさえストレスを感じてしまう。 まぁ、とにかく、細々した苛々が私を落ち着かない気分にさせて、狂った自律神経が高ぶって午前五時に雨音なんて聞きながら言葉を綴っている。

変な夢

変な夢 変な夢を見た。変な夢だったと思う。目が覚めた瞬間に弾けて消えてしまったからどんな夢だったのかわからない。けれど、懐かしい人から大事なことを教えられたような気がする。 どうして夢を忘れてしまうのだろう。あんなにはっきりと意識があったのに目が覚めたら意味不明な断片しか残っていなくて、夢現のうちに慌てて繋ぎ合わせて思い出そうとすると、どんどん目が冴えてしまってバラバラと夢は崩れて消えてしまう。多分、意味なんてない。分かっているけれどなんとなく、途轍もな く重要な何彼があったような気分になるので、余計に思い出そうと躍起になってしまう。 忘れてしまうということは、所詮それまでのことだと割り切ってしまえたら良いのに、中途半端に意味ありげな部分だけ覚えていたりするものだから気になって眠れない。眠れば続きが見られるという保証はないし、夜はいつだって私に冷たい。あぁ、だから夢を見るのかな。優しくもないしすぐに消えてしまうけれど、夜の冷たさに比べたら幾分かマシだから。

中途半端な気温と投げやりな雨

午前四時の通り雨で洗われた空気はヒヤリとしている。 風はなく、時計が刻む音がやけに煩くて落ち着かない。 せめて金木犀の香りがすればいいのに。中途半端な気温と投げやりな雨が私を憂鬱にさせる。

台風に震える家の真ん中でオリジナルヨガ無意味なポーズ

嵐の前の静けさとか言うけれど、低気圧にやられた私はうつ伏せでクッションに顔を押し付けて変な具合に胴体と足を曲げた状態でじっとしていた。指一本動かしたくない感じ。喉乾いたけど起き上がってマグカップ持って飲もうとしたら空っぽだったら嫌だから、喉なんて乾いてないって思い込んでじっとする。雪隠は流石に行くけどね。 ぼんやりした頭でぼんやりと考えたりしない。ぼんやりしているのだからぼんやりしようぜ。でないとパンクしてしまう。もうすでにパンクしちゃって継ぎ接ぎだらけだから、ちょっと空気を入れただけであちこち漏れ出してダメなんだ。私。 台風は私のぼんやりも煩悩も不安も不満も焦りも何も吹き飛ばしてはくれない。爪痕だけを残して、霧散してしまうから誰を恨んで良いのかわからない。