2018-09-27

目を閉じてそのまま眠れたら

目を閉じてそのまま眠れたら 羊なんて用済みなのに。なんて言ったら羊は怒るだろうか。怒ってもう数えさせてはくれなくなるのだろうか。 意味のない涙を流しながら羊を数える。羊よりも涙がたくさんあるから、涙の方を数えようか。あぁ、でもそれは、健康的ではない気がする。数えるのなら羊でないといけない。涙の数なんて、それも意味のない涙なんて、数えたらきっと私、本当に泣いてしまう。

変な夢

変な夢 変な夢を見た。変な夢だったと思う。目が覚めた瞬間に弾けて消えてしまったからどんな夢だったのかわからない。けれど、懐かしい人から大事なことを教えられたような気がする。 どうして夢を忘れてしまうのだろう。あんなにはっきりと意識があったのに目が覚めたら意味不明な断片しか残っていなくて、夢現のうちに慌てて繋ぎ合わせて思い出そうとすると、どんどん目が冴えてしまってバラバラと夢は崩れて消えてしまう。多分、意味なんてない。分かっているけれどなんとなく、途轍もな く重要な何彼があったような気分になるので、余計に思い出そうと躍起になってしまう。 忘れてしまうということは、所詮それまでのことだと割り切ってしまえたら良いのに、中途半端に意味ありげな部分だけ覚えていたりするものだから気になって眠れない。眠れば続きが見られるという保証はないし、夜はいつだって私に冷たい。あぁ、だから夢を見るのかな。優しくもないしすぐに消えてしまうけれど、夜の冷たさに比べたら幾分かマシだから。

選ぶこと

「あたしさぁ、自分で選んだことなのにダレソレのせいで選択ミスったわ、とか言うやつ嫌ぁい。だってさ、ジコセートーカのためにタニンを利用してるだけじゃん。そう思わん?」
単語帳をめくりながらコノカが言う。
それはそうだけど、みんながみんな自分の思うように選べるわけじゃないのよ。それぞれ事情があるんだからさ、と嗜めると、 「ググればイロイロやり方は見つかるっしょ。ナンカ言われたとかジョーキョー的にムリとかなんなん? 同じ夢持ってる人は絶対同じ方法で夢叶えてんの? 最短ルートがジョーキョー的に無理でも他のルートあるし全力でオススメされたからガマンしてこっちルート行くわとか、そんなんで諦めんならマジじゃなくね? マジならさぁ、長距離ルートとかでもやるよ? あたし。オススメとかスルーで良くね? 一応サンコーにはするけどさぁ。そんなんで諦めんなら結局そんなもんだったってことじゃん? こう言う奴は望み通りんなっても反対されてムキんなってシヤサッキョーでミスってること気づかんかったぁ! とかなんとか結局モンク言うって。そんなん全部自分のマチガイ認めないための予防線じゃんヤダー」
 コノカがゲラゲラ笑う。短すぎるスカートの中が見えてしまうのではないかとヒヤヒヤする。
「自分が勝手に空気読んで黙ってたんじゃん? イヤイヤでもオススメ選んだのは自分っしょ? マジムリなのかググって納得したんならそれも自分で選んだ道っしょ? ならセキニンは自分じゃね?」
 コノカから責任などと言う言葉が出てくるとは思わなかった。
「みんながみんなコノカみたいにシンプルに考えられるわけじゃないのよ。それに、誰かのせいにしなきゃやってられない事だって沢山あるわ」
「イヤイヤ、そんなんただの八つ当たりじゃん? 自分のセンタクで自分の責任っしょ。自己責任。一生タニンのせいにして不満ブチブチとかマジムリ」
 「一生なんてないわよ」
「あるある」