2019-03-07

錯覚

中学三年生の冬、小論文対策に嘘の作文を書いた。塾の先生が一つも本当のことがない作文をかけと言ったからだ。今思うと先生は相当な変わりものだった。僕は晩御飯を食べない。なぜなら、お腹が空くのは錯覚だからだ。毎日同じ時間に晩御飯を食べるからその時間になると条件反射でお腹が空いているような気がするだけだ。だから僕は晩御飯を食べることをやめた。はじめのうちはお腹が空いたけれど、すぐに慣れて晩御飯を食べなくても平気になった。全部錯覚なんだよ。なんて事を言っていた。先生に言わせればこれも錯覚なのだろう。きっとすぐに慣れて平気になるのだろう。だから私は耐える。これは錯覚だと言い聞かせながら、耐える。