2019-06-29

唸って呻く

自分が無価値に思える夜は静かに泣いて金平糖を食む。奥歯でガリリ、ガリリ、と砕けば少しは心も晴れる、なんて事はなく、空回りした思考が威力を増して竜巻になるのに私を飲み込むけれど、私はドロシーじゃないからどこにも行けない。ただただ心の底を掻き混ぜる。攪拌された心に澱は無くなるけれど、得体の知れない感情に満たされて思わず唸り声を上げてしまう。
声にならない声は暗闇に吸い込まれ、私は涙を流し続ける。諦めたことを数えて泣く。失ったものを数えて泣く。出来ないことを数えて泣く。泣く。ケミカルなものに頼って泣く。泣く。泣く。
泣くとスッキリするなんて嘘。みんなはスッキリするかもしれないけれど、私はみんなじゃない。みんなじゃないから苦しい。呻く。唸る。呻く。目眩く素敵な夢なんてないから唸って呻いて涙を流す。