2016-10-13

秋黴雨

小ぶりだが溶けにくく爽やかな味が長く続く。一粒が小さいさく薄味なので五つほど一緒に舐めるとちょうど良い味。眠気覚ましにおすすめ。

秋時雨

ほろ苦い味の飴玉。大きさはまちまちで、苦さも一定しない。舐めているうちに苦味が増したかと思えばほの甘く感じるなど、舌の上で変幻自在に味を変える。舐め終わると少し冬が近づくという。

厭なモノ洗い流して好きなモノ残して行って欲しかったのに #秋雨のカノン

雨上がりの澄んだ空気は好きだけれど、地面を染めるオレンジを見ると哀しくなる。せっかくの金木犀がこれじゃ台無し。厭なモノだけを選んで洗い流してくれたらいいのに。例えば、今私の心の奥底から滲み出ている毒のような感情とか、どうにもならない倦怠感と睡魔、解決策の見出せない諸問題……
ポットにたっぷりジャスミン茶を淹れて一休みしよう。咎められる事を恐れていては後退する一方でちっとも前進しない。
私は私でなければいけないけれど、私でなければならない理由はどこにも無くて、多少の怠惰ならば誰かが勝手に埋めてくれる。私の存在なんて所詮その程度と言えば辛くなるが、いつでも引き継げるように効率の良い手順書を私は前以て用意していたのだと思えばくだらない矜持も保つことができる。物は考えようだ。良い方に考えよう。良い方に。それが一番難しいのだけれど……あぁ、秋雨が厭なモノだけを綺麗に洗い流して行ってくれれば良いのに! そして後に残るのは、前向きで意欲的な私!