2016-11-24

衝動

作りたいと云う衝動は遺したいと云う感情から来ているのかもしれない。
私はいつか死ぬが、作ったものはずっと残る。知らない誰かに保守されてずっとずっと先まで動き続ける。或いは、情報の海を漂い続ける。でも、編み物は違う。遺したいと云う感情はそこには無い。編みたいから編む。ただそれだけ。
綺麗に編んだアクリルたわしはヨレヨレになると捨てられる。膝掛けは箪笥の肥やしとなり、やがて解かれてマフラーになる。編み物は消費作業だ。残らない。遺さない。だから何も考えない。空っぽの頭で取り組めるのだろう。