2018-09-27

選ぶこと

「あたしさぁ、自分で選んだことなのにダレソレのせいで選択ミスったわ、とか言うやつ嫌ぁい。だってさ、ジコセートーカのためにタニンを利用してるだけじゃん。そう思わん?」
単語帳をめくりながらコノカが言う。
それはそうだけど、みんながみんな自分の思うように選べるわけじゃないのよ。それぞれ事情があるんだからさ、と嗜めると、 「ググればイロイロやり方は見つかるっしょ。ナンカ言われたとかジョーキョー的にムリとかなんなん? 同じ夢持ってる人は絶対同じ方法で夢叶えてんの? 最短ルートがジョーキョー的に無理でも他のルートあるし全力でオススメされたからガマンしてこっちルート行くわとか、そんなんで諦めんならマジじゃなくね? マジならさぁ、長距離ルートとかでもやるよ? あたし。オススメとかスルーで良くね? 一応サンコーにはするけどさぁ。そんなんで諦めんなら結局そんなもんだったってことじゃん? こう言う奴は望み通りんなっても反対されてムキんなってシヤサッキョーでミスってること気づかんかったぁ! とかなんとか結局モンク言うって。そんなん全部自分のマチガイ認めないための予防線じゃんヤダー」
 コノカがゲラゲラ笑う。短すぎるスカートの中が見えてしまうのではないかとヒヤヒヤする。
「自分が勝手に空気読んで黙ってたんじゃん? イヤイヤでもオススメ選んだのは自分っしょ? マジムリなのかググって納得したんならそれも自分で選んだ道っしょ? ならセキニンは自分じゃね?」
 コノカから責任などと言う言葉が出てくるとは思わなかった。
「みんながみんなコノカみたいにシンプルに考えられるわけじゃないのよ。それに、誰かのせいにしなきゃやってられない事だって沢山あるわ」
「イヤイヤ、そんなんただの八つ当たりじゃん? 自分のセンタクで自分の責任っしょ。自己責任。一生タニンのせいにして不満ブチブチとかマジムリ」
 「一生なんてないわよ」
「あるある」